森 国枝
セルリアンブルーの空間は、光(ビーム)と出会うことで、
BEAM ILLUSIONの世界に誘う。
見過ごしている身近なものに、光があたるといろいろな主張や物語が生れる。
レースのカーテンの模様から忍び込んだ光は、今朝、咲いたコーラルレッドのバラを生けたワイングラスに屈折して、白い壁に絵を描く。
雑多な周りの景色を夕日の残照が、夢色に包む時、光は、ロマンに変わる。
自然の力が瞬時に作る美しい形、色、音に心ひかれる時、自己の内面に巣食うできごとをすべて否定してみる。
その後の密やかなイメージする楽しみから生れてくる何かを待つ。
人間の手の跡をつけないように、意識でコントロールできない形を描きたい。
セルリアンブルーの誘惑から、逃れられないのなら、
この色の魅力にとりつかれていたい。
蒼い空間に色を光のように遊ばせたい。
描くのではなく、色を流したり、吹きつけたり、投げつけたり、
集めたガラクタに色をつけて押したりすることでできる形に心ひかれる。
その日の気分で、絵も変わる。
夢中が過ぎれば飽いてくる。
何ヶ月もかけて描いた絵を白紙に戻すことで、次の作品が生れたりする。
変化と刺激には、無意識のうちにピアノを聞いている。
ピアノの音は、キースジャレットでも、ピアノマン・サコダでも、
アシュケナージでも、心を豊にしてくれる。
アトリエの孤独な作業の静寂の中に響くピアノの旋律は、
魔法を使い色を音符に変えて、イメージを膨らませてくれる。
夜が好きで、深夜に制作し、朝日が昇ると寝る。
夜に、聞くピアノは、欲望でも、愛情でも、悲しみでも、エネルギーの元は、美しいものであって欲しいと思わせる。
物語の中に、真実があるように、イメージの世界で、美しい色遊びをしながら、
BEAM ILLUSIONを描きたい。




